【イバラユーギとゲームマスター】
はじめまして。イバラユーギと申します。
「マーダーミステリー」と呼ばれる、とても面白いゲームを作ったり遊んだりしています。おすすめです。
さて、前回「イバラユーギとマーダーミステリーとの出会いと別れ」について書かせて頂きました。
思い出はいつも綺麗で興味深いものなのですが、ひとつ、とんでもない欠点があります。
「過去は切り売り」
なのです。
つまり、過去は有限で、思い出話は消耗品で。
だから、過去の話は出来る限り暖めておくべきだと、イバラユーギは知っています。
『ゲームマーケットに行った事すらないしボードゲームも作った事が無いのに、とりあえずゲムマに出店応募した話』
や、
『エンタメの事何も分からないのに、とりあえずマーダーミステリーのお店を作った話』
や、
『初めてマダミス店舗公演に行った話』
『大阪や東京で出会ったマダミスに狂った人たちの話』
それこそ『マダミスを作った話』など。
書きたい事はまだまだ山ほどあるのですが、こいつら思い出達は、たまに書くくらいにしなければ、過去に追いつかれてしまうので危険です。
前振りが長くなりましたが、そんなこんなで今回書く内容は、現在の話。
【イバラユーギとゲームマスター】
ゲームマスターってご存知でしょうか?GM、なんて呼ばれたりもします。ゲムマって略すとゲームマーケットと混同するので、GMって略しますね。
結論から言いますと、イバラユーギはGMって言葉を、
知りませんでした……。
生きとし生けるもの全てに興味が無かったので、TRPGなどもプレイしたことがなかったからです。
しかし、まあ、知らずとも何となく言葉の意味は理解出来ます。
自分のオンライン向けに作ったシナリオはGM不要という形式ながら、テストプレイを行う際には、自分がいない訳にはいきません。
そんなこんなで、生まれて初めてGMをする事になります。
「ゲームマスター難しっ!!」
それが初めてGMをした率直な感想で、それと同時に、イバラユーギは自分がゲームマスターに向いていない、という事実にも気付けました。
餅は餅屋!ケーキ買うならケーキ屋さん!ボードゲーム買うならボドゲ屋さん!
マーダーミステリーするなら「大阪高槻マーダーミステリーNAGAKUTSU」!
なのです。
得意な事を得意な人がやる。役割分担。それが一番。
ひとりで出来る事には限界があります。それどころか、あれもこれも自分でやろうとしたら全ての効率が落ちてしまう。イバラユーギあるあるです。
人に何かを任せるってのは、簡単で難しい事なのです。
ゲームマスターが苦手だからこそ、ゲームマスターが上手な人を見ると尊敬するし、
ゲームマスターが苦手だからこそ、ゲームマスターの重要性を一番最初に考えました。
そんなこんなで気付いたら、イバラユーギの周りはゲームマスター屋さんばかりになっていたのです。
色々なGMさんを見て、GMの大切さを再認識します。
例えば、自分がストレス解消に作った、
「フリースタイルマダミス」

とかいう作詞なんてしたことないのに、エンディングで曲に作詞をして、難しすぎてシナリオ書くより時間がかかった謎のマーダーミステリーがあるのですが、
とあるGMの方に、このマダミスをそんなに面白くまわせるの!?
と、驚かされた事があります。
【ゲームマスターに大切な3つの事】
苦手だからこそ、逆説的に、自分に足りてない部分がGMに重要な部分なんだな、とイバラユーギは理解します。
●愛しさ
愛される人間、人柄。ホスピタリティ、おもてなし力的な見えない力ですね。イバラユーギは、自己完結型人間なので、このホスピタリティという物が欠けていて、だからこそホスホスしている人を見ると凄いなぁ格好いいなぁって思います。
●切なさ
切ない声、美声。これはもう当たり前に、読みが上手かったり声が良かったりも含めて、良い声をしている人はそれだけで素晴らしいですし、そこに努力が重なった日には、鬼に金棒です。
●心強さ
折れない心、精神力。本番では予想外のことが起こります。マダミスは毎回全然違う展開になったりするので、予期しない質問や行動が盛りだくさん。それらを華麗に捌く姿は見るものを魅了して止みません。
―――。
と、まあ、ゲームマスターに大切な3つの事と銘打ってノリでまとめました。
正直、適当です。たぶん明日には違うことを言っています。
しかし、ひとつだけ変わらないであろう想いもあります。
「マダミスGMを客観的に観る」ことが多いイバラユーギ的に、
本当に一番大切なこと。
それは……。
●狂気
愛しさも切なさも心強さも、狂気の前では等しく無力なのです。
何でそこまで出来るの!?と言いたくなるくらいマダミスに尽くしているGMさんを見ると素敵だと思うし、それはきっとプレイヤーにも伝わると信じています。
しかし、これからマーダーミステリーを遊ぶ人が増えていき、それにつれ狂気への需要は減っていくでしょう。
マダミスが、狂った制作者と狂ったゲームマスターと狂ったプレイヤーたちで作り上げた遊びだった事は、あっという間に過去の思い出話になるでしょう。
それでも、イバラユーギは、色々なところでこのコミュニティを盛り上げてくれているイカれた狂人たちへの感謝を忘れずに、
これからも一緒に狂っていきましょう!
と思うのでした。
おわり。