【マーダーミステリーにおける推理とは?】
はじめまして。イバラユーギと申します。
「マーダーミステリー」と呼ばれる、とても面白いゲームを作ったり遊んだりしています。
時間の流れはめまぐるしいもので、気づけばマーダーミステリーを創る人も増えてきました。
数年前までは、制作者向けの話なんて需要ないよね?
って思っていたけど、これだけたくさんの人がマーダーミステリーを制作しているなら需要がありそうなので、このブログで制作者向けの話(というより、マーダーミステリーを制作するうえでイバラユーギが思いついたことや気づいたこと)を、たま~に書くことにしました。
そんなこんなで、今回のテーマは、
「マーダーミステリーにおける推理とは?」
前提条件を見落とされると、会話が成立しないので、念のためもう一度言います!!
「マーダーミステリーにおける
推理とは?」
マーダーミステリーだけの話なんで、主語を間違えないで読んでくださいね!
イバラユーギは、マーダーミステリーのことしか分からないので、一般的な推理が何なのかは、存じ上げません。
で、
まず、マーダーミステリーを遊んだ時に「推理したな~」って思う時、それは「想像」した時、だと考えています。
でも、「想像」はマーダーミステリーとは相性がとても悪いです。
例えば、とある実験室で被害者が死んでいたとします。
■カード情報として「実験室に入室したのは、AさんとBさんだ」
という情報が出てきたら、これは推理ではなく情報整理ですね。
推理したって感覚にはなり辛いと思います。
じゃあ、例えば、
■「実験室に2名の入室記録がある。2名とも【種別:赤】と表記されている」
という情報が出てきたら、
「種別:赤ってなんだ?」「もしかして、女性ってことなんじゃない?」
「じゃあ、実験室に入った可能性があるのは、女性であるAさんとBさんだ!!!」
→これは確かに推理です。
ただ、この「もしかして」とマーダーミステリーの相性がとても悪くて「そうじゃない可能性」が残っていると、解説時に納得度が著しく下がってしまいます。
例えば、CさんとDさんは名前がカタカナって共通点があるなら、
「種別:赤って名前がカタカナってことじゃない!?」という推理も成り立つからです。
■では、ここで「ゲーム中に実験室に入室することが出来る」ギミックを追加しましょう。(ゲーム的には、回数制限などがあると望ましいですね)
「種別:赤ってなんだ?」
「とりあえず、試してみるか!俺が入ったら種別:青って表記されたぞ」「私は、種別:赤です!」
「もしかして、女性は種別:赤って表記されるんじゃない?」
「じゃあ、実験室に入った可能性があるのは、女性であるAさんとBさんだ!!!」
→こうなると、推理っぽくなります。
つまりマーダーミステリーにおける推理とは「想像と検証」だと考えています。
「想像」だけでは、不納得に繋がります。
例えば、よくある氷の例を使いましょうか。
■凶器が見つかっていない、外にも捨てることはできない、鋭利なもので刺されてるっぽいけど刃物はこの館に存在しない。
というゲーム前提だとして、どこかのゴミ箱に「鋭利なもの作れそうな型」と「冷凍庫から不自然に捨てられた冷凍食品」とかがあったら、犯人は冷凍庫で凶器を作るために冷凍食品を捨てたのかな?って推理しますよね。
良いと思うし、その推理が正解だった時は「推理した!」って感覚を得られると思います。
けど、推理できなかったパターンはどうでしょう?
解説時に「つまり、冷凍庫から冷凍食品を捨てられるタイミングがあったのはAさん!犯人はAさんでした!」って言われても、
いや、でも、それは想像にすぎなくて、犯人じゃない人がたまたまほかの理由で冷凍食品を捨てた可能性もあるじゃん?
って、もやっとポイントになりますし、犯人役の人は追い詰められたら間違いなく適当に捨てた理由をでっちあげます。
そして、その可能性を否定することは出来ません。
「解けてる人」は気持ちよく推理できたな!って感覚になるけど「解けていない人」は不納得状態になる。それが「想像」の弱点ですね。
■一旦、まとめますね!
マーダーミステリーにおける推理とは「想像」で、
想像だけで確証がないと、解けなかったときに「不納得」が生まれます。
そのために「検証」が必要なのですが「検証」の結果「想像」が失われると、結局「情報整理」だと感じる人もいるかもしれません。
推理を面白いと思わせるには、不納得を作らざる負えない。
でも、不納得は出来れば作りたくないですよね。(むずかしいけど!)
それを打開するためのアイデアが「想像と検証」だと考えています。
現状ある推理導線を、ワンクッションぼかすだけで面白い推理導線に化ける可能性があります。
推理は、後付け出来る!
「実験室に入室したのは、AさんとBさんだ」ってカード情報を作ったとして、
この情報に気づくためにワンクッション、さらにワンクッションとするだけで少し面白くなったりします。(もちろん、ワンクッションの内容にもよりますが)
そんな感じで今回は「今ある推理導線、後付けでちょっとおもしろく出来るかもよ」ってお話でした。
おわり。